Nightfall

オカルト懐疑論。超常現象を調べたり、文献レビューしたり、オカルトニュースを紹介したり。

清水崇監督の最新作『樹海村』(2021)の感想

『樹海村』(2021)の概要

『樹海村』は2021(令和3)年2月5日に日本全国で公開された自殺の名所としても有名な富士の樹海を舞台にしたホラー映画である。『呪怨』(2003)シリーズや『犬鳴村』(2020)などを手掛けた清水祟氏が監督に抜擢された。なお『犬鳴村』は「実録!恐怖の村」シリーズの第一弾であり、『樹海村』はこのシリーズの第二弾に位置付けられる。本作では怪事件の中心に呪われた箱「コトリバコ」が蠢いている。朝里樹氏によればコトリバコとは 島根県のある地域に伝わるという怪異で、木が複雑に組み合わさってできた二〇センチ四方ほどの大きさの木箱という様相をしている。本来は〈子取り箱〉と書く物体で、その正体は呪い殺すために作られた一種の武器(中略)」[朝里2018:160頁]と説明しているが、リアルと劇中内の設定は異なっている。また映画.comさんの評価では2021(令和3)年2月5日時点で★1.7/5点である(樹海村 : 作品情報 - 映画.com)。

樹海村の感想(※ネタバレ注意)

ホラー重視か、ストーリー重視かによって賛否両論あると思いますが、個人的には面白かったです。本作はそこまで怖くないですが、どちらかというとグロや痛いシーンで目を背けちゃいました。一番怖いと思ったシーンは天沢響による放火が判明後、鷲尾母が笑顔で扉を閉めて天沢鳴を拒絶する所ですかね。
エンドロール後は鷲尾真二朗(完全に天に召されたと思っていました(●´ω`●))と鳴が無事ゴールインし、幼女ねねちゃんが生まれてハッピーエンドかと思いきや、ねねちゃんがコトリバコを発見してしまいましたね。呪いの連鎖は続く的な終わり方はホラー映画的には良かったんじゃないかな。
映画の内容を整理します。「コトリバコ」は口減らしのために樹海に捨てられた人々が作り出した呪物です。この人々は四肢欠損や肢体不自由、知的障害者などでした。コトリバコはどこでも出現しますし、破壊はできません。箱の中には樹海に捨てられた人々のくすり指(?)が入れられています。「子取り」との因果関係は不明です。
そうそう。天沢鳴と響の父親に関する描写がなかったこと気になりました。鳴と響の祖母・唯子が「琴音さん」と呼んでいたことから、嫁入りしたと考えられます。もし離婚の場合、実家に帰ったりやアパートを借りて生活していると思われるので、離婚ではないと考えられます。ここからは僕の憶測でしかないですが、琴音と琴音の旦那はコトリバコによって何らかの呪いの影響を受けたことがあるではないか?と思いました。すなわち琴音の狼狽ぶりは琴音旦那が犠牲になったことが起因しているのではないかということです。
映画を視聴した方々はどのように思いましたか?
「実録!恐怖の村」シリーズ第三弾がもしあれば公開が楽しみですね…‼︎
参考文献
映画『樹海村』公式サイト
◆朝里樹(2018)『日本現代怪異事典』笠間書院