迷宮屋敷ウィンチェスターミステリーハウスの幽霊伝説

図１.ウィンチェスターミステリーハウス外観。筆者撮影。

  アメリカのカリフォルニア州サンノゼにあるゴシック・ヴィクトリア調様式の屋敷ウィンチェスターミステリーハウスはウィンチェスター社製の銃によって殺害された幽霊が彷徨っているという伝説がある（May 1993）。2018年には屋敷を舞台にした映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』も公開された。
 不幸の背景には霊が絡んでいるという霊媒師アダム・クーンズから屋敷の迷宮化を提案された館主サラ・ウィンチェスター（1840-1922）は1884年から建設を開始し、1906年と1989年の地震による半壊も経験したが38年間で500部屋以上にも及ぶ増改築を重ねた（Nickell 2011 ; Stollznow2011）。屋敷は霊が迷うように設計されており、行き止まりの階段や扉など複雑怪奇な構造である。また屋敷内の13本設置された蝋燭や蜘蛛の巣の装飾が施された窓はサラにとって魔除け的効力や幸運をもたらす思想が反映されている（Stollznow 2011）。
 幽霊目撃談や怪音などの超常現象が報告されているものの、心理的または環境的要因などによる可能性が極めて高いという（Nickell 2011）。

参考文献
May, Antoinette. 1993. Haunted Houses of California: A Ghostly Guide to Haunted Houses and Wandering Spirits. Wide World Publishing.

Nickell, Joe. 2002. Winchester Mystery House: Fact vs. Fancy. 26 (5). (September / October).

Nickell, Joe. 2011. Scientific Investigation vs. Ghost Hunters. Skeptical Briefs Volume 20 (3)(September 28). Scientific Investigation vs. Ghost Hunters | Skeptical Inquirer. 最終閲覧日2023年12月12日.

Stollznow, Karen. 2011. The Winchester Mystery House. (December 29)The Winchester Mystery House | Skeptical Inquirer. 最終閲覧日2023年12月12日.