Nightfall

オカルト懐疑論。超常現象を調べたり、文献レビューしたり、オカルトニュースを紹介したり。

井上円了、杉本家の怪音系超常現象調査

明治26年西暦1893年11月中旬頃、山梨県北都留郡大目村、杉本永山氏の村家で怪音系超常現象が発生した。その怪音の特徴として口笛のようであり、神出鬼没、意思疎通が可能だったという。その調査に乗り出した井上円了によれば、杉本家の養女「とく」当時18歳による腹話術の可能性が極めて高いと推察している。
  どうやら「とく」の実母が近村(駒橋村)に移住しており、お互いに同居を望んでいたが杉本氏は認めなかった。そこで「とく」は何かしら問題が生じれば追い返されるのではないかと考えていたようだ。続報がないため、「とく」と実母が一生に暮らせたどうかなどは一切、不明である。井上円了が導き出した超常現象の背景は非常に切ないものだった。3人が納得した選択をしたと信じたい。
  詳細な考察は「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」*1を参照してほしい。